労務管理の重要性
労務管理とは、その名の通り従業員の労働条件や労働環境などを管理する業務です。
事業で利益を出していくことが一番重要なのは言うまでもありませんが、そのためには労務管理は避けて通れない課題です。
法令を遵守した労働環境を整備することは、従業員のやる気を引き出し、雇用主への信頼へとつながります。
さらに各種法令や就業規則、社内諸規定を遵守する環境を整えることにより、事前にリスクを回避することができます。
よりよい労働条件で一人ひとりが力を発揮できる労働環境を提供し、それを適切に管理できて初めて職場が円滑に回りだし、利益を伸ばすことが可能になります。
パワハラ防止法
パワーハラスメントの雇用管理上の措置義務について、中小事業主は2022年4月から義務化となりました。それまでは努力義務となっています。
パワハラに限らず各種ハラスメントを未然に防ぐことは貴重な人材の損失を防ぎ、また企業としての社会的信用を守ることにつながります。
そのためには問題の本質を正しく認識し、柔軟に対応していくことが必要です。
働き方改革
労働基準法では、従業員を働かせることができるのは原則として1日8時間、週40時間までとされています。ただし、これまではいわゆる36協定を締結、届出することによって法定労働時間を超えて働かせることができていましたが、働き方改革の一環として細かく上限規制が設けられることとなりました。
また、有給休暇の取得についても、年間10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年間5日以上取得させることが義務となりました。
それに伴って年次有給休暇管理簿の作成義務も事業主に課せられていますので正しく作成、管理する必要があります。
同一労同一賃金
働き方改革の一部として「正社員と非正規社員との間の不合理な待遇差の禁止」が掲げられています。大企業では既に取り組まれていますが、2021年4月からは中小企業でも不合理な待遇差は禁止となります。
職務の内容や責任の程度、人材配置の変更範囲などの合理的な理由がない場合は「不合理な待遇差」ということになってしまいます。
今一度会社のルールや手当の見直しを行べきと言えます。
リモートワーク対応
新型コロナウイルスの影響でリモートワークを行っている事業所も増えていると思いますが、実際に行ってみると想定していなかった問題が発生してしまうケースもあります。
リモートワークの際の電気代、通信費等の手当や通勤手当の問題、セキュリティ対策、情報漏洩をどのように防ぐかなど、新たにリモートワーク対応の規則を設けることで後のトラブル防止になります。